9月定例会は、9月12日から10月7日まで開かれました。
補正予算は、新型コロナウイルス感染症対策に要する経費、コロナ禍における原油価格・物価高騰対策に要する経費、その他緊急を要する経費、「G7広島サミット」に合わせて開催される関係閣僚会合の経費です。
議員提案の「長崎県ケアラー支援条例」を提出し、全会一致で可決しました。23件の議案を原案のとおり可決、同意し、「令和3年度長崎県一般会計決算及び各特別会計決算の認定について」など3件の議案を予算決算委員会に付託し、閉会中の継続審査としました。また、1件の請願を採択し、「私学助成の充実強化等に関する意見書」など2件の意見書及び1件の決議を可決しました。
孤独・孤立対策の取り組みを強化せよ
今年4月に、孤独・孤立に関する初の全国実態調査の結果が公表され、ほぼ3人に1人が何らかの形で孤独感があると回答し、その割合は20代、30代で高い傾向になっている。先日、安倍元首相が街頭演説中に銃撃されるという事件があった。この容疑者は、長い間、孤独と孤立の中にいて、自暴自棄になったようだと報道されていた。
どんな境遇にあっても凶悪な犯罪は決して許されないが、孤独・孤立が犯罪につながっているという事件も少なくないと思っている。犯罪を未然に防止するためにも、この孤独・孤立対策が大切と考えている。
誰一人取り残さない社会の実現を目指して、子どもの未来のため、誰もが生きやすい長崎県になるように取組が必要だと思う。
大石知事も「誰一人取り残さない」と発言している。この孤独・孤立対策に対する考えを問う。
さまざまな悩みを抱えている方が、人と人とのつながりを実感できる地域づくりを推進し、孤独・孤立に至っても支援を求めやすい社会にすることが重要である。
誰もが共に支え合い、地域で安心して暮らすことができる長崎県にしていくためには市町や関係団体等と協力しながら、必要な施策を進めていく。
令和3年の自殺に関する統計では、女性の自殺者が7,068人と2年連続増加しており、今後もしっかりとした対策が必要。県における自殺者の現状と対策を問う。
本県の女性の自殺者数は、令和元年66人、令和2年64人、令和3年60人と、2年連続で減少している。心のケア相談員や市町や社会福祉法人いのちの電話、ひとり親家庭など女性が多く相談される相談機関等と連携した相談対応を行っている。
新たな取組として、SNSを活用した相談窓口「こころとこころのほっとライン@ながさき」を本年8月1日に開設し、支援体制の強化を図っている。
SNSの相談窓口「こころとこころのほっとライン@ながさき」登録状況や実施体制は。
相談窓口は公認心理士や臨床心理士、精神保健福祉士等のスタッフが対応しており、9月1日現在のSNSの登録者数は344人、相談件数は延べ436件となっている。
子どもの未来のための教育行政へ
(1)教員の働き方改革
2019年より働き方改革が進められているが、教員の長時間労働の実態は大きく変化していなくて、教員の勤務状況は苛酷になっているとの調査結果が出ている。「休憩時間がゼロ」が半数以上、残業時間は過少申告を求められた人が17%いたとのことだが、長崎県においても、教員の方々のお話では、同じような状況だとの事。県としては、市町からの報告を受けるだけではなく、本気で取り組む必要があると思うが、どのような対策を行っていくのか。
現在、教職員の休憩時間は、県内全ての学校において適切に設定されているが、児童会や生徒会活動等の指導やノートの点検、子どもの見守りなどにより、割り振られた休憩時間が十分に確保できていない状況も見受けられる。
一方、残業時間の書き換えや過少申告は、ICカード等の活用と併せて、各市町、各学校に指導してきたところである。
(2)子どもたちに居場所を!
夏休み明けは不登校になる子どもたちが増える時期である。学校に登校するのが苦しい子どもたちに寄り添うことや、多様な選択肢が重要だと思っている。
不登校の現状と対策、そして不登校支援には官民垣根を越え、学びの場を増やして居場所をつくることがとても重要だと思う。県の見解は。
不登校児童数は、2,279人で、年々増加傾向にある。スクールカウンセラーの配置や電話相談窓口の設置等、教育相談体制の充実を図っている。
多様な学び場の民間の一つであるフリースクールとの連携についても推進していく。
(3)ネットいじめ対策を強化せよ!
ICT化が進む中で、タブレットのチャット機能でのいじめが発生している。
このネットのいじめは、普通のいじめとは違い、被害者の方が四六時中いじめられて心が休まる時間がないのではないかと危惧する。今後、ICT化が進むにつれて、ネットいじめの危険性がさらに高まっていくと思う。このネットいじめを早期発見、未然防止するための効果的な対策は。
教員の指導力を一層高め、児童生徒の情報モラルを育成することが重要である。
このため、現在、LINE社と共同で開発した児童生徒参加型の情報モラル教材「SNSノート・ながさき」の活用を促し、新たに作成した情報モラルに関する研修動画を教員の研修に活用している。
(4)スクールバスの運用で負担軽減へ
通学される児童生徒の足となるスクールバスについて、経路や停車地を増やしてほしいというようなご相談をいただいた。大村のろう学校や時津の盲学校、虹の原特別支援学校へ通う方が、結構遠いところから通学している。通学が大変だから引っ越すというような状況もあると聞いている。
保護者負担の軽減のために経路や停車地をきめ細やかに対処を考えていただきたい。県の考えは。
自力での通学が困難な児童生徒のために、利用人数あるいは乗車時間など一定の基準を設けて、一部の学校でスクールバスを運行している。
停車地を増やす場合は、児童生徒が安全に乗降できるスペースや保護者による送迎のための待機場所を確保する必要があり、引き続き、通学状況や学校、保護者からの意見を参考にしながら、児童生徒の通学支援に努めていく。
新型コロナ対策強化で倒産を防ごう!
老舗のまるなか本舗、お菓子の店アリタ、お茶の山口園などの倒産が続き、とても寂しい気持ちです。そして、利用していたお店も閉店するなど、倒産、閉店が増えてきている。コロナ禍における県内事業所の倒産状況と、未然に倒産を防ぐ対策は。
負債額1,000万円以上の新型コロナウイルス感染症に関連した倒産件数は、8月末時点で34件、負債総額66億4,000万円であり、主な内訳は、宿泊業や飲食業を含めたサービス業が10件、小売業が9件となっている。
この中には老舗の店舗も含まれており、県としても、事業者の経営環境が厳しい状況にあると緊張感をもって対応していく必要がある。
本定例会で、事業者の資金繰りを支援するための融資枠の拡大にかかる関係予算を計上した。